2019/02/10 22:32
*記事は今から10年以上前に配信していたメルマガ記事を加筆修正したものです。
肌荒れの本当の理由も分からず悩み続けていた7年間に、ピリオドを打つ運命の朝がやってきました。
その日は、前日デパートで買ったばかりの「肌に良い」といわれる洗顔フォームをはじめて使うので、期待で胸が高鳴っていました。
当時の私は、顔だけでなく手のひらもひどい荒れ性でした。
夜眠る前はハンドクリームをべったり塗り、浸透させるために手袋をして休むほどです。
そのおかげで朝目覚めた時は、両方の手のひらは平等につるつるでしっとり潤っています。
ところが洗顔をすまし、ひととおり化粧をすませた頃になると、右手と左手に明らかな違いが出てきたのです。
「あれっ? どうして右の手のひらだけが、ガサガサなの?」
今までも同じような違和感はありましたが、その日の朝は異常なほど違いを感じました。
この右手と左手の不思議が「肌荒れ」の謎を解くのでは?
と思った私はさっそく調査。
そして……
「そうか、そういうことだったのね」
――洗顔フォームでたっぷり泡をたて、時間をかけて丁寧に洗顔。
コットンパフを使わず、そのまま化粧水を左の手のひらで受けて右の手の指先が顔に運ぶ。
これが私の化粧手順です。
この手順に「答え」があったのです!
洗顔フォームの泡以外、化粧水も乳液もクリームも何も触れていない部分それが右の手のひらだったのです。
左の手のひらは、化粧品を手のひらで受け取っていたために保湿され、ガサガサの難から逃れることができていたのです。
しかし、かわいそうな右の手のひらは保湿されていなかったのでガサガサの荒れ放題に。
前置きが長くなりました。
右手と左手の明暗を分けた理由。
それは「洗顔フォーム」に含まれていた強すぎる石油系洗浄成分です。
手のひらをガサガサに乾燥させてしまうほど強い「洗顔フォーム」。
今後絶対、顔に使用したくないと思いました。
でも、メイクはどうやって落とそうか?
「洗顔フォーム」無しで、メイクは落とせないし……。
とりあえず朝だけでも洗顔フォームをやめてみようと考えました。
翌朝、買ったばかりの「洗顔フォーム」を止め試験的にそれまで使っていた「洗顔石けん」で顔を洗ってみました。
しかし結果は変わらず、その日は一日中、手も顔もガサガサでした。
さらに翌朝。
今度は「洗顔フォーム」「洗顔石けん」どちらも使わず、ちょっとべたつくことが気になりましたが「水洗い」だけですませてみました。
朝「水洗い」だけの洗顔なんて、高校生以来15年ぶりです。
朝起きたら「泡洗顔」をする。
顔を清潔にするための、それは常識と思い込んでいました。
結果は15年ぶりの「水洗顔」は不思議なことに手も顔も、全く乾燥を覚えず快適でした。
朝は「水洗い」だけにすると肌の調子がいい!
でも、ちょっと待って!
肝心な汚れは「水洗い」だけで本当に落ちているのかなぁ?と急に不安になってきたのです。
そして案の定「水洗顔」を始めて少し経つと、思春期の頃でさえ出来たことのなかった立派なニキビが、なんと2つもできてしまったのです。
やはり「水洗顔」だけでは汚れが落ちてなく、毛穴が詰まってニキビができてしまったことがすぐに理解できました。
「泡洗顔」もダメ、「水洗顔」もダメ、か。うーん……。
洗浄成分を含むことなく、汚れもきちんと落としてくれて、おまけにベタつかない。
そんな3拍子そろった、優れもののクレンジングあったらな……。
【美肌日記】クレンジングジェル+『α』の開発へ
前の晩にお手入れしたクリームなどが酸化した過酸化脂質は「水洗い」だけでは落ちないことを身をもって体験。
でも手が荒れてしまうような「洗浄成分」は使いたくない。
「そうだ! 美容成分で汚れを落とすってどうかしら?」
さっそく工場長に相談しました。
「美容成分で汚れを落とす、ですかぁ」
私の興奮とは裏腹に、何とも気のない返事。
「できないこともないですが界面活性剤をくわえないと完璧にメイク汚れは落とせませんよ」
「こすらず簡単にメイクを落とすことが求められているので、いくらお肌に良いとはいっても、まあ正直いって売れないと思いますよ」
と、冷静な専門家のご意見です。
こんな耳の痛い言葉を正直にアドバイスしてくれる工場長に感謝しつつ、でも引き下がらず、ちょっと強引に話を進めました。
売れる、売れない以前に「美容成分クレンジング」を作らなければいけないみたいな不思議な使命感がうまれていたのです。
さっそく、試作づくりが始まりました。
モニターは私。乾燥敏感肌です。
イメージは徐々に固まってきました。
肌に負担のかかる成分を使わず美容成分のスクワランオイルなどが汚れを浮かせ、同時に15種類の美容成分をお肌に浸透させる。
汚れを落としながらも、同時に美容成分を浸透させる、そんな感じ。
昔テレビコマーシャルでみたような「リンス in シャンプー」のようなイメージで、使い心地にもこだわり、べたつき無用。
自分の納得のいくクレンジングに仕上がるまで実に1年近くかかりました。
でも苦労したおかげで、完成したクレンジングジェルは使い続けると肌の調子がよく「うわ、いいもの出来たー」と思いました。
洗浄成分を含まないクレンジングジェル。
汚れを浮かせながら、同時に美容成分を浸透させる。
当時、今までのクレンジングの常識をくつがえす【美肌日記】クレンジングジェル+αが完成したのです。
一刻も早く、肌荒れに悩んでいる友人に知らせたい!
気持ちは高まりました。
しかし工場長の指摘通り、メイク汚れを完璧には落とせません。
[朝]はこのジェルでじゅうぶん。
でも、
[夜]のメイク落しはどうしたら良いのか?
次の課題です。
【美肌日記】クレンジングフォームの開発へ
みなさんは「落ちないメイク」どうやって落としてますか?
汗や皮脂に強く、化粧崩れしにくいファンデーション落ちにくいマスカラや口紅。
忙しい女性にとってお化粧直しの手間を省ける便利なものです。
でもこの強力な油性メイクを、たった1回の洗顔でこすらず簡単に落とすためには、それ以上に強力な洗浄力が必要となってしまいます。
そんな石油系シリコンオイルで作られたメイク用品の数々を、クレンジングジェルでこすらず簡単に落とすことはできません。
メイクを落とすためには、最低限の洗浄成分は必要。
だけど絶対、お肌に負担のかかる洗浄成分を配合したくないし……。
工場長に相談。すると
「天然のアミノ酸から作られた洗浄成分を使いましょう」
工場長は自信ありげでした。
「肌に優しい成分ですしメイクも落とせます。でも、この洗浄成分も天然ですからウォータープルーフのようなしっかりメイクは完璧には落とせませんよ」
「私の今日のメイクくらいなら、どう? 落とせる?」
「そのくらいのメイクなら問題ないですね」
「そう。それなら、いま流行のしっかりメイクを落とすことができれば、何とかなりそうね」
そして試作で出来上がった【美肌日記】クレンジングフォーム。
クレンジングジェルだけでも、クレンジングフォームだけでも「しっかりメイク」を完璧に落とせないなら……
「それならメイク落としには両方使ってもらいましょう!W洗顔ならしっかりメイクも落とせるでしょう?」
と、私。
「それは名案、と言いたいところですが今どきそんな二度手間やってくれますかね?」
と、腕を組む工場長。
「私、思うんです。年中、乾燥肌で悩んでいる人。敏感肌で何を使ったらよいか困っている人。私がそうであったように、自分の大切な肌のために必ずひと手間かけてくれるんじゃないかな」
工場長の心配をありがたいと受けつつも信念を曲げず夜のメイク落しにはW洗顔をお奨めすることにしました。
肌荒れに本当に困っている方なら、きっと二度手間を惜しまない。
私もそうですから。
「洗浄成分を含まないクレンジングジェル」
「洗浄力の弱いクレンジングフォーム」
と、しっかりメイクを完璧に落とさない弊社の不思議な2つのクレンジング商品についてお話しをしてまいりました。
では、なぜそんな「クレンジング」をわざわざ作ったのか詳しくお話ししたいと思います。
――「合成界面活性剤」こそが、お肌の大敵
「合成界面活性剤」この言葉、目にしたことはありませんか?
これこそが私に7年間の苦しみを負わせた犯人なのです。
さてこの「合成界面活性剤」。実は台所用、洗濯用洗剤の原料です。
何も知らなかった若い頃、普通に使用していた洗顔フォームにも「普通」に配合されていました。
「合成界面活性剤」は衣類や食器の汚れを簡単に落としてくれますが、肌が弱い方だととくに手をガサガサに荒らします。
このように強力な洗浄成分、大切なお肌には絶対に使いたくない。
そう思いませんか?
それが弊社の何とも不思議なクレンジングの商品化の原点なのです。
では、この「合成界面活性剤」がお肌に与えるダメージについて少しご説明いたします。
お肌は本来、自分の「皮脂と汗」などがバランスよく混ざり合ってできる『皮脂膜』という自然のクリームに角質層(肌の表面)は覆われています。
この『皮脂膜』はお肌のバリアーとして乾燥・紫外線・細菌などの外敵からお肌を守る働きをしています。
地球に例えるならば『角質層』が「地球の表面」で『皮脂膜』が「オゾン層」といったところでしょうか。
「合成界面活性剤」の強力な洗浄力は大事な『皮脂膜』を簡単に取り去り、角質層を形成するタンパク質(セラミド・ケラチン・天然保湿因子など)も溶かしてしまう恐ろしいものです。
オゾン層が無くなった地球……
怖いと思いませんか?
このように「合成界面活性剤」が、いかにお肌の大敵かご理解頂ければ幸いです。
【美肌日記】モイスト・ローション の開発へ
新陳代謝=ターンオーバーって、何日サイクルかご存知ですか?
「28日でしょ?」
と答える方が多いと思います。
しかし、それはお肌の調子の良い10代、20代の前半のお話しで30代に差し掛かると、年齢×2倍と速度が遅くなるそうです。
ちなみに(執筆当時)私は46歳ですので、46×2=92日、下層から新しい細胞が生まれ、表面の古い細胞が垢としてはがれ落ちるまで、何と3ヶ月もかかる計算になります。
1年間にたった4回しか新しい細胞に生まれ変われないのです。
かなりショッキングですが、これが老化だそうです。。。
さてお肌が正常なターンオーバーを行うためには角質層に20%〜25%の水分量を必要とします。
この水分量が不足した状態を「乾燥」といいます。
つまり、お肌が乾燥するとターンオーバーがスムーズに進まずお肌の老化を早めてしまうのです。
化粧水を使用する目的は角質層に水分を与え、ターンオーバーをスムーズに行わせること。
クレンジング後の清潔なお肌に一番最初に触れ、角質層に届く大事な化粧水。
それゆえ【美肌日記】モイストローションは角質層の水分を保持することを目的に作り上げた商品なのです。
【美肌日記】パーフェクト・エッセンスの開発へ
「化粧水が水分保持を目的に使われるものなら美容液を使用する目的ってなに?」
以前、お客様からいただいた御質問です。
美容液の目的はズバリっ!
「お肌にしみこんだ化粧水を蒸発させない」です。
肌を乾燥させない、ターンオーバーを促す大事な化粧水。
その化粧水が蒸発サヨナラでは気持ちが悲しみよこんにちはです。
【美肌日記】パーフェクト・エッセンスは、化粧水によって角質層に浸透させた大切な水分を蒸発させないためにベールを覆う、皮脂膜のような働きをするものです。
皮膚呼吸を妨げることなく日中の乾燥から水分の蒸発を防ぐ優れものです。
美容液には「美容液としての役割」がありますので、より完璧なお手入れをされたい方は自分の肌に合う化粧水と良い美容液は必須です。
【美肌日記】スーパーMSセラムの開発へ
「化粧水が肌になじまなくなったけど、どうしよう。気に入ってたのに」
20代の頃、私はひんぱんに化粧水を変えていました。
化粧品(おもに化粧水)が、しばらく使用すると肌になじまなくなってしまうからです。
くどいですが私は洗顔後につける化粧水は本当に大切なものだと思っています。
化粧水が肌になじまなくなると美容液や乳液でカバーしようとしてもメイクのノリが悪くなりますからね。
なので新しい化粧品に変えよう、と買い物に出かけます。
えーっと、どれにしようかな?
でも、商品を選びながら「これ良さそうだけど、また肌になじまなくなるんじゃないかな……」という不安に近い思いがありました。
そして的中。
また化粧水がなじまなくなり、そこでふと疑問に思ったのです。
肌の水分量が日によって変わるほど強い乾燥肌の私には「本当に合う化粧水」は無いんじゃないか?
ここで考えます。
ずーっと考えました。
そしてたどりついた結論。
その日の肌の調子に合わせてうるおい力を変えられる化粧水があればいい、と。
「毎日の肌に合わせる、私のための化粧水!」
……あったら、いいなぁ。
月日は流れ、化粧品メーカーの社長となった私は長年考えていた「肌の状態に合わせて化粧水のクオリティーが変わる」ものを作るため
研究を重ね、試作品をいくつも作り……
完せ・・・いや、まだまだ
工場長の苦労は無視(ごめんなさい)納得できるものにするまでは!
……・・・
ついに完成!
それが【美肌日記】スーパーMSセラムです。
少量を化粧水に混ぜるだけで自然なうるおい感が大幅アップ。
その日の肌の調子に合わせて量をコントロールできる。
今使っている化粧水を変えなくても大丈夫!
肌に負担をかけるものは一切入れずに仕上げたので安心して使える。
長年求めた「あったら、いいなぁ」がカタチになったのです。
最後に
『肌の弱い私でもぴったり合う、安全で安心な基礎化粧品。探しても無いなら、自分で作ってみよう!』
熱い気持ちでスタートした化粧品作りが色々な出会いによって「自分のため」から「私と同じ悩みをもつ方たちのため」に変わったことに今さらながら感慨深いです。
出会いといえば、全国のサロンや海外のサロン、ベビーマッサージ教室、皮膚クリニック、美容院…と、開発当時では思いも寄らない出会いがありました。
そして幸運な化粧品は、あなたとブログを通じて出会わせてくれました。
もし、素肌のことや基礎化粧品のことなどでお悩みなどありましたら、ぜひお問い合わせください。
最後までお読みいただきまして、まことにありがとうございます。